GUI開発とは

グラフィカルユーザーインタフェース(Graphical User Interface)の設計と実装を行うことを指します。
ユーザーがマウスやキーボードを使わずに、画面上で視覚的にとらえて指で操作するため、直感的な操作ができる特長があります。
なお、操作性に優れていることから、多くの製品やサービスで採用されるようになってきています。

GUIとCLIの違いについて

GUIとCLIの違いについて​
GUI開発-GUIとCLIの違い

GUI(グラフィカルユーザーインタフェース)

タッチパネルなど視覚的な要素を使用して操作します。

視覚的で直感的に操作できるため、初心者や一般ユーザー向けです。
一方、画像の処理は資源(メモリ、CPU)を多く消費しがちで、高度な操作や自動化には不向きな場合があります。

CLI(コマンドラインインタフェース)

テキスト(コマンド)入力のみで操作を行います。

コマンドで操作するため、軽量で効率的、高度な操作や自動化に適しているため、システム開発者に好まれます。ただし、コマンドを覚える必要があり、初心者には難しいと感じられることが多いです。

GUIとCLIの違いについて​

 GUI
(グラフィカルユーザーインタフェース)

タッチパネルなど視覚的な要素を使用して操作します。

視覚的で直感的に操作できるため、初心者や一般ユーザー向けです。一方、画像の処理は資源(メモリ、CPU)を多く消費しがちで、高度な操作や自動化には不向きな場合があります。

GUI開発-GUIとCLIの違い

 CLI
(コマンドラインインタフェース)

テキスト(コマンド)入力のみで操作を行います。

コマンドで操作するため、軽量で効率的、高度な操作や自動化に適しているため、システム開発者に好まれます。ただし、コマンドを覚える必要があり、初心者には難しいと感じられることが多いです。

GUI開発において考慮すべきポイント

操作対象の明確化

GUIの要素(ボタン、アイコンなど)を大きく表示することで、ユーザーが正確に操作対象を選択できるようにすること。

視覚的なフィードバック

ユーザーの操作に対して視覚的なフィードバックを提供することで、ユーザーは自分の操作が正しく認識されたことを確認できます。

操作が容易

ユーザーの操作ミスを減らし、効率的な操作を可能にすること。 例えば、ボタンやアイコンの数を最小限にすることで、画面にある情報量が減り、ユーザーが判断しやすくなります。複雑な機能でもシンプルで使いやすいGUIにまとめ上げる工夫が必要です。適切なGUIデザインは、タッチパネルの使いやすさを大きく向上させます。

自由度が高いプラットフォームを選ぶ

プロジェクトにもよりますが、自由度の低いプラットフォームはテンプレートに依存することが多く、特定のニーズに応じられないことが多々あります。なお、柔軟性が欠けているため、GUIデザインを最適化することも難しくなります。

テストと改善の繰り返し

GUIが完成後、使いやすさのテストを重ね、課題を発見して迅速に改善すること。 

GUI開発ツールについて

GUI開発のためのツールは多岐にわたります。C#やC++などが主流となっています
以下に主要なものをいくつか挙げます

プログラミング言語C#やC++などが主流となっています
以下に主要なものをいくつか挙げます

組み込み開発向け

組込み開発向けのGUI開発ツールは、低消費電力、限られたメモリなどリソースの制約がある環境でも動作するように設計されています

Qt(キュート)for MCUs

Qtの軽量バージョンで、リソースが限られたMCU向けに最適化されています。産業機器や家電製品など、多くの分野で利用されています。

TouchGFX

STMicroelectronicsが提供するグラフィカルライブラリで、STM32向けに最適化されており、高性能で低消費電力のディスプレイを実現します。

Embedded Wizard

TARA Systemsが提供するGUI開発ツール。多くの組込みシステムプロジェクトで採用されています。家電製品や産業機器の分野で使用されることが多いです。

Segger emWin

プロフェッショナルな組込みGUIライブラリとして、信頼性が高く、豊富な市場実績があります。特にメモリやリソースの制約が厳しいプロジェクトで広く使用されています。

LVGL (Light and Versatile Graphics Library)

オープンソースのグラフィカルライブラリで、軽量かつ柔軟性があり、多くの組込みプラットフォームに対応しているため、幅広いプロジェクトで使用されています。コミュニティも活発です。

デスクトップアプリケーション向け

Qt(キュート)

C++で開発されたクロスプラットフォームのGUIフレームワーク。高額なライセンス料がかかるものの、優れた性能によって、大手自動車メーカーにも使用されています。

GTK(旧GTK+)

C言語で書かれたオープンソースのGUIツールキット。GNOMEデスクトップ環境でよく使用されます。

JavaFX

JavaベースのGUIフレームワーク。リッチインターネットアプリケーション(RIA)の開発に適しています。RIAの代表例:グーグルマップ

WPF

Windows Presentation Foundationの略称で、Microsoftが提供するWindows向けのGUIフレームワーク。C#での開発が主流です。

Electron(エレクトロン)

GitHubが開発したWeb技術(HTML、CSS、JavaScript)を使用して、クロスプラットフォームなデスクトップアプリケーションを作成するフレームワーク。

Webアプリケーション向け

Vue.js

軽量で柔軟なJavaScriptフレームワーク。シンプルなAPIと優れたドキュメントで知られています。

React

Facebookによって開発されたJavaScriptライブラリ。コンポーネントベースのアーキテクチャで再利用可能なUIコンポーネントを作成できます。

Angular

 

Googleが開発したTypeScriptを使用して構築されたオープンソースのJavaScriptフレームワークで、汎用性が高いことで知られています。主にC++を使用しますが、優れたコンポーネントライブラリを備えており、ゼロからのコードの記述が減り、素早く構築できるようになります。

ゲーム開発向け

Unity

クロスプラットフォームのゲームエンジン。C#を使用して2Dおよび3Dゲームを開発できます。近年、車載GUI/HMIデザインにも力を入れています。

Unreal Engine

高度なグラフィックスを提供するゲームエンジン。主にC++を使用します。

GUI開発のステップ

Setp 1

要件定義

ユーザーのニーズを理解し、必要な機能やデザインを定義します。
ユーザーの使いやすさが一番重要だと言っても過言ではありません。

Setp 2

プロトタイピング

ワイヤーフレームやモックアップを作成して、初期のデザインを視覚化します。

Setp 3

開発

コーディングを行い、ボタン、メニュー、ウィンドウなどの要素を実装します。
ノーコードツールの場合は基本ドラッグ&ドロップで作成できます。

Setp 4

検証

操作性のテストやバグ修正を行い、品質を確保します。シミュレーション機能があるツールでしたら、是非活用しましょう。

Setp 5

実装(デプロイ)

完成したGUIをユーザーに提供します。

製品やサービスの評価はGUIに影響される

GUIは日常生活のどこにでもあります。例えば、街中の自動販売機や空港で見かけるスマートロッカーでは、装置にに搭載されているタッチパネル画面のGUIを通じ、操作を行います。GUIがユーザーと製品の「接点」になるため、製品やサービスの企画・開発においては、GUIは非常に重要な要素となります。
なぜなら、いくら優れた性能の製品やサービスだとしても、GUIのデザイン性が低く、ユーザーに「使いにくい」「使い方が分からない」と感じさせてしまえば、ユーザーから選ばれない可能性があります。また、一度導入されたとしても、継続して利用してもらうことは難しいでしょう。
 逆に言えば、GUIのデザインがよければ、ユーザーの利便性や満足度が高まり、製品やサービスの受容性も高まります。つまり、GUIは製品の評価を左右する非常に重要な要素です。

スマートロッカーのタッチパネル

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